高田馬場だけじゃない! 聞いて欲しい「ご当地駅メロ」 -東京圏編ー
そもそも、駅メロって何?
駅メロとは駅で流されるメロディーですが、その仕事は「警告」。主に列車がホームに進入するときか発車するときに、メロディーを鳴らして注意を促します。初めて駅メロを導入したのはJR東日本。渋谷駅と新宿駅に発車メロディーを流し始めました。今回は、「発車メロディー」と「接近メロディー」に分けて、東京圏のおすすめ駅メロを紹介します。駅メロを聴く方法はふたつ。実際に駅に行く方法と、Youtube等で聴く方法があります。おすすめは後者。超気に入ったら行ってみるのがいいでしょう。
選出条件
①筆者の好み(結局これが一番)
②東京駅に“できるだけ”近いこと、乗換やその駅の列車本数(東京圏からの「行きやすさ」を重視。)
③曲自体の知名度(最後の条件)
発車メロディー
発車メロディー:列車のドアが閉まる前に流すメロディーのこと。メロディーの後に「ドアが閉まります」という放送を流すタイプが多め。JR、東京メトロ、東武などが主に使用しています。
1.もうひとつの高田馬場 新座駅(JR武蔵野線)
新座駅では高田馬場と同じ、「鉄腕アトム」が採用されています。アレンジは高田馬場の音色違いって感じ。理由は、手塚プロダクションの新座スタジオ。手塚治虫が窓から見える雑木林を気に入っていたのだとか。採用は2004年、高田馬場の1年後です。こっちを知っている人は「通」かも?
2.希望の“線路” 茅ヶ崎駅(JR東海道、相模線)
茅ヶ崎駅では、サザンオールスターズの「希望の轍」が採用されています。茅ヶ崎は桑田佳祐さんの地元で、歌詞にも茅ヶ崎を連想させるような内容が入っています。2001年に提案があったもののその時は叶わず、2013年にサザンが活動再開したときに、再び署名活動が行われ、採用されました。アンケートでは96%の市民が賛成したとか。東海道線5、6番線のみで流れ、5番線はイントロ、6番線はサビのアレンジです。
東海道線では他に「上を向いて歩こう」(川崎駅)などが聞けます。
3大きな玉ねぎの“地下”で聴く名曲 九段下駅(地下鉄東西、半蔵門、都営新宿線)
爆風スランプの「大きな玉ねぎの下で」が採用されています。言うまでもなく、九段下最寄りの「大きな玉ねぎ」武道館の歌であり、「九段下の駅」という言葉も登場します。東西線ホームのみで流れます。東西線全駅に発車メロディが導入された2015年に採用。サンプラザ中野くんが今年5月に「大きな玉ねぎの下で 令和元年ver.」をYoutubeで聴けるようにしてくれたのは嬉しかった!
地下鉄東西線では他に、「お江戸日本橋」(日本橋駅)もきけるほか、全駅つなげて聴くと一つの曲になるという面白い仕掛けも。
4.朝でも夜でも「夕焼け小焼け」 八王子駅(JR中央、八高、横浜線)
八王子駅では、有名な童謡、「夕焼け小焼け」が採用されています。全てのホームで異なるアレンジが流れます。個人的お勧めは1番線、八高線ホームですが、20分に1本しか来ません。。 作詞の中村雨虹さんの故郷が八王子であることから、2005年に採用。導入当初は、「朝から夕焼け小焼けを聴かすな」と苦情が来たとか来てないとか。。
中央線は童謡の発車メロディーが多い路線。他に「たき火(豊田駅)」「さくらさくら(武蔵小金井駅)」「メダカの学校(三鷹駅)」「たなばたさま ジャズ風ver.(阿佐ヶ谷駅)」などが聴けます。
5.SF=「S:少し F:不思議な」メロディー! 登戸、宿河原駅(JR南武線、登戸は小田急線も乗り入れ)
登戸駅がホーム3つ、宿河原駅がホーム2つなので、合計5つ。近くにある藤子F・不二夫ミュージアムにちなんだメロディー。登戸駅では、「ぼくドラえもん」「きてよパーマン」「ドラえもんのうた」を、宿河原駅では「すいみんぶそく」「夢をかなえてドラえもん」を使用。ドラえもんの曲は3世代採用されています。現在は星野源さんの「ドラえもん」がアニメOPで使われています。こちらもいい曲ですよね!僕は「夢をかなえてドラえもん」世代です。藤子・F・不二夫ミュージアムにちなんだメロディーは小田急線でも採用されています。登戸駅で「きてよパーマン」「夢をかなえてドラえもん」向ケ丘遊園駅で「はじめてのチュウ」「ドラえもんのうた」が聴けます。
接近メロディー
接近メロディー:列車の到着前に流すメロディーのこと「列車がまいります」という放送のあとに繰り返し流すタイプがやや多め。京急、小田急、京王などが採用していますが、JRなどの広い範囲に路線を持つ会社が発車メロディーを多く採用していることから、やや影薄め?カモ
駅メロ「入門編」!? 京浜急行電鉄
多彩な接近メロディー
京急電鉄。120km/hという高速運転や特徴的な赤い電車はもはや「名物」となっていますね。鉄道ファンからは遅延回復の速さなども評価されています。そんな京急の「接近メロディー」もまた、ファンからは大人気です。京急のメロディーの特徴はなんといってもその多様さ。古めの曲(=長年愛され続けた曲)から比較的新しめの曲まで、多くの世代が親しみやすい選曲になっています。古いものも新しいものも大切にする姿勢は僕も好きです。今回はその中から、何曲か厳選してご紹介します。
1.SEKAI NO OWARI 「Dragon Night」 羽田空港国際線ターミナル駅
2015年、羽田空港国際線ターミナル5周年に合わせて採用されました。「セカオワ」が大田区を拠点にしていることからの採用です。実はこのひとつ前の曲が「世界に一つだけの花」でそれを置き換えた形になることから若干の批判もありましたが、登場して1年目の曲を導入するのは最近の曲もどんどん取り入れる京急を象徴しているともとらえられる気がします。
2.ゆず 「夏色」 上大岡駅
2008年に磯子区岡村出身の「ゆず」の曲が採用されました。横浜よりも先のやや遠い駅ですが、いちばん早い「快特」が止まるので比較的行きやすいと思います。京急の中でも特に人気のメロディー(体感)。
3. 坂本九「上を向いて歩こう」 京急川崎駅
JRの川崎駅でも採用されているこの曲。川崎市は坂本九さんの故郷です。2008年導入で、ライバルJRよりかなり早期の導入となっています。坂本九さんの曲は遠く離れた茨城県笠間市の笠間、友部、岩間の3駅でも採用されています。合計5駅。これだけ多くの駅での採用は珍しいのではないでしょうか。「上を向いて歩こう」2019年の紅白でも歌われていましたよね。正真正銘の名曲です。
4.いしだあゆみ「ブルー・ライト・ヨコハマ」 横浜駅
こちらも2008年に導入。理由はいわずもがなですね。実は京急は2008年に一般公募で接近メロディーを採用したのですが(これ自体異例のこと。京急の親しみやすさの理由のひとつですね!)、そのときぶっちぎりで1位だったとか。さらに横浜市が行ったアンケートでも圧倒的1位。納得の採用です。
シンプルなアレンジで聴きやすい! 小田急電鉄
新宿と江ノ島、小田原・箱根を結ぶ小田急線。小田急のメロディーの特徴はシンプルさ。シンプルな1種類の音色でアレンジされていて、それが曲の良さをより引き出しているような気がします。数は多くないですが、名曲ぞろいの小田急。今回は、その中のいくつかをご紹介します。
1.いきものがかり 海老名駅、本厚木駅
海老名駅では「SAKURA」、本厚木駅は「YELL」の採用。2010年からの採用で、理由はいきものがかりの出身地だからです。個人的には小田急の音色と一番マッチしている2曲だと思います。僕は小1の時に「YELL」を合唱で知ったのですが、「さよならは悲しい言葉じゃない」という歌詞の意味が分からず、冷たい曲だと思っていました笑 それが分かるようになったのはいつ頃だったでしょうか。もう覚えていません。。
2.ウルトラマン 祖師ヶ谷大蔵駅
「ウルトラマンのうた」「ウルトラセブン」の2曲。円谷プロダクションが祖師ヶ谷大蔵にあったことに由来します。祖師ヶ谷大は「ウルトラマンの町」駅前の商店街の名前は「ウルトラマン商店街」で、アーチやシンボル像もあるとか。
鉄道ファンからの注目度上昇中! 京王電鉄
新宿と八王子、高尾、多摩センターなどを結ぶ京王線。駅メロの歴史は浅く、初登場が2011年。それゆえ数も多くはありませんが、京急同様、比較的最近の曲の導入を比較的多く行うなど、個人的にこれからが楽しみな会社です。今回は他社に合わせて、数曲を厳選してご紹介します。
1.FUNKY MONKEY BABYS「ヒーロー」「あとひとつ」 京王八王子駅
これが京王初の「駅メロ」です。2011年に「FANKY MONKEY BABYS」が八王子出身であるため採用されました。ライバルのJR八王子駅でも、ご当地駅メロ「夕焼け小焼け」を聴くことができますね。選曲が対照的なのも何か意味が・・?は流石に妄想が過ぎますね笑
2.「カントリーロード」 聖蹟桜ヶ丘駅
2012年採用。映画「耳をすませば」の舞台が聖蹟桜ヶ丘駅のある東京都多摩市であることから採用されました。多摩市はこのメロディーの採用のため、導入費約12万円を負担したんだとか。駅メロの導入って結構お金が掛かるんですね。聖蹟桜ヶ丘には特急も止まります。
最後に
いかがでしたか?「駅メロ」は鉄道趣味の中でも親しみやすい部類に入ります。また、今回ご紹介したご当地駅メロだけでなくJRや東武では会社が作ったオリジナルメロディーも使用しており、こちらもまた魅力的です。これからも沢山の素晴らしいメロディーが登場してくることでしょう。これを読んで、少しでも多くの方が駅メロを好きになってくだされば幸いです。